ドライ・ジン

ドライ・ジンを知る

最終更新日:2017年1月21日

現在、ジンの多くはドライ・ジンで、一般的に単にジンというとドライ・ジンのことを指します。ライトでキレのある味が特徴です。ドライというのは乾燥という意味ではなく辛口であることを表しています。ストレートやオンザロックはもちろん、カクテル・ベースにも適しています。カクテルの中でも世界中で愛飲されカクテルの王様と呼ばれている「マティーニ」やそれと同じくらい人気のある「ギムレット」などの材料として使われています。

19世紀前半に開発された連続式蒸留機によってそれ以前のジンよりも純度の高いスピリッツとして誕生しました。それ以前に飲まれていたのはオランダから伝わった重く複雑な味のする「ジュネヴァ・ジン(オランダ・ジン)」でしたが、それと区別するために「ドライ・ジン」と呼ばれるようになりました。

ドライ・ジンの生産工場の大半がイギリスの首都であるロンドン市内にあったため「ロンドン・ジン」「ロンドン・ドライ・ジン」とも呼ばれますが、産地に限らず「ロンドン・ドライ・ジン」と表記できます。ロンドンに蒸留所が少なくなった今でもこの呼び名は続いています。

アルコール度数

40%

01ドライ・ジンの製造方法

ドライ・ジンの原料は大麦麦芽、とうもろこし、ライ麦などの穀物です。原料の穀物を糖化・発酵させた後、連続式蒸留機でアルコール度数95%以上のグレーン・スピリッツを作ります。これにジュニパー・ベリー(セイヨウネズの球果)などの植物性成分(ボタニカル)を加えて、単式蒸留器で蒸留して成分の香りを溶け込ませます。

植物性成分の加え方は2通りあります。ひとつは材料の草根木皮を直接スピリッツに加えて単式蒸留器で蒸留する方法です。もうひとつは単式蒸留器の上部にジン・ヘッドと呼ばれる円筒を取り付け、その中に材料の草根木皮を詰めて、上がってくるスピリッツの蒸気を通すことで成分を抽出する方法です。

植物性成分(ボタニカル)

ジュニパー・ベリーの他にコリアンダーシード(パクチーの実)、アニシーズ(アニスの実)、キャラウェイシード(ヒメウイキョウの実)、アンジェリカルート(アンジェリカの根)などセリ科の香辛料が多く使用されています。他にはオリス(ニオイアヤメ)の根やシナモンの樹皮、オレンジやレモンの果皮、その他各種の薬草、香草類も使われます。

どの成分をどのくらい使うかは公開しているメーカーもありますが多くは企業秘密となっています。

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