アドヴォカートを知る
最終更新日:2021年6月27日
アドヴォカート(Advocaat)はオランダの伝統的な卵リキュールで、卵黄、ブランデーなどの蒸留酒(スピリッツ)、砂糖や、バニラなどから造られます。クリームのような質感でカスタードクリームのような香りと味があります。エッグノッグによく似ています。原料由来の黄色い色をしています。
EUの規定で、1リットルあたり140g以上の卵黄と150g以上の転化糖を含み、アルコール度数が14%以上であることが定められています。
オランダ国内やその周辺国では卵黄のみを使って造った濃いアドヴォカートが売られており、デザート感覚でスプーンですくって食べるほか、食前酒や食後種としてココアを振りかけたホイップクリームを乗せて食べたりします。またワッフル、パンケーキなどのトッピングや、アイスクリームやペイストリーなどのデザートの材料などに使われます。
オランダから輸出されているのは卵白も含めた全卵を使った、薄い(より液状の)アドヴォカートで、ストレートやカクテルで飲むのに適しています。
アルコール度数
14 〜 20%
01アドヴォカートの賞味期限
アルコール度数が14%以上の環境では食中毒の原因となるサルモネラ菌が生存できないため、一般的に流通している信頼できる製品であればすぐにダメになることはありません。
ただし冷暗所で保存し、未開封でも製造から1年以内、開封後は半年以内が賞味期限の目安です。これを過ぎても菌類が腐敗することはありませんが、味は落ちます。
02アドヴォカートの歴史と名前の由来
15〜17世紀にかけてヨーロッパ人が南米に進出してきた時、アマゾンの先住民の間で「アバカテ(abacate)」という飲み物が飲まれていました。アバカテとは果物のアボカドのことです。17世紀になって南米でラム酒が作られるようになると、このアボカドとラム酒を混ぜたリキュールが飲まれるようになりました。アボカドによってとろみのついた食感の飲み物で美味しいものでした。
これがヨーロッパに伝わりましたが、ヨーロッパの気候ではアボカドが育たず手に入らなかったため、代わりに味やとろみが似ていると考えられた卵黄を使って同じ食感を再現したことで、卵のリキュールが誕生しました。
アドヴォカートという名前の由来は2つの説があって、誕生の元になった果物のアボカドに由来しているというのが一つの説です。
もう一つは、オランダ語で「弁護士」を意味するアドヴォカート(Advocaat)に由来しており、これを飲むと弁護士のように弁舌がなめらかになるとして名付けられたという説があります。
03アドヴォカートの銘柄ピックアップ
ワニンクス アドヴォカート
オランダのリキュールメーカーの老舗であるデ・カイパー社のアドヴォカートです。ブランデーをベースに卵黄と砂糖、バニラを加えて造られています。
- 度数
- 17%
- エキス分
- 27%
- 生産地
- オランダ
- 製造元
- デ・カイパー社