ウイスキーを知る
最終更新日:2022年7月31日
ウイスキーは大麦の麦芽(モルト)・ライ麦・小麦やトウモロコシなどの穀類を原料に造った蒸留酒を樽熟成したものです。ビールを蒸留したお酒と言われることもあって、乾燥させた原料を粉砕してお湯を加えてデンプンを糖化・発酵させた汁はビールの製造途中の麦汁とほとんど同じです。原料を乾燥させる際に炭で燻したり、蒸留した後に樽で熟成させたりすることで生まれる香ばしい琥珀色と味が特徴です。
アルコール度数
40 〜 45%
01ブリテン諸島で生まれ育ったウイスキー
ウイスキーの発祥の地はアイルランドとされており、5世紀頃にはすでに蒸留の技術が伝わりウイスキーの原型となるお酒が飲まれていたという説があります。12世紀の文献にビールを蒸留したウスケボーというお酒が飲まれていたことが記されています。
その後15世紀のスコットランドの公的文書にモルトからアクア・ヴィテ(生命の水の意味で蒸留酒のこと。ウイスキーの語源とされています。)を造らせたことが記録されており、これがウイスキーについての最古の古文書とされています。
その当時のウイスキーは現在のような琥珀色ではなくて無色透明で、当時ポーランドで造られていたと記録が残っているウォッカとの違いはなかったようです。
現代のような豊かな香りや味わいと琥珀色をしたウイスキーへと姿が変わった由縁は、イングランドによるスコットランドの併合後の麦芽税でした。酒造業者達は税から逃れるために材料に大麦以外の穀物を使うようになったり、山奥で密造してワインの空き樽に隠したりするようになりました。そういった製造工程の変化によって、ウイスキーは琥珀色でまろやかな味わいのお酒へと姿を変え、19世紀前半には一般的なウイスキーの姿として定着しました。
02ウイスキーの種類
ウイスキーは原料によって大まかに3つに分類できます。
大麦の麦芽(モルト)だけを使ったモルト・ウイスキー、ライ麦やコーンなど大麦の麦芽以外を主原料に使ったグレーン・ウイスキー、モルトとグレーンを混合したブレンデッド・ウイスキーがあります。
また一箇所の蒸留所で蒸留した原酒をビン詰めしたものをシングル、複数の蒸留所で蒸留したモルト・ウイスキー同士かグレーン・ウイスキー同士の原酒を混ぜ合わせ(ヴァッティングといいます)てビン詰めしたものをヴァッテッドと呼びます。
原料とヴァッティングの有無によってシングル・モルト、ヴァッテッド・モルト、シングル・グレーン、ヴァッテッド・グレーンといった分類をすることができます。
- モルト・ウイスキー
- シングル・モルト・ウイスキー
- ヴァッテッド・モルト・ウイスキー
- グレーン・ウイスキー
- シングル・グレーン・ウイスキー
- ヴァッテッド・グレーン・ウイスキー
- ブレンデッド・ウイスキー
または産地を基にした呼称も一般的で、特にイギリス北部スコットランド産のスコッチ・ウイスキー、アイルランド産のアイリッシュ・ウイスキー、アメリカ合衆国産のアメリカン・ウイスキー、カナダ産のカナディアン・ウイスキー、日本産のジャパニーズ・ウイスキーは「世界の5大ウイスキー」と呼ばれて高く評価されています。
日本人にも馴染み深いアメリカン・ウイスキーにはケンタッキー州を中心に作られているバーボン・ウイスキー、テネシー州で作られるテネシー・ウイスキーなどがあります。
ウイスキー全般
ライ・ウイスキー
アイリッシュ・ウイスキー
スコッチ・ウイスキー
バーボン・ウイスキー