アマレットを知る
最終更新日:2021年6月26日
アマレット(Amaretto)とは、香ばしいアーモンドのような香りの、甘くほろ苦いリキュールです。イタリア語で「少し苦い」という意味です。
1525年、北イタリアのミラノ近郊にあるサロンノで誕生したとされている「ディサローノ・アマレット」がアマレットの元祖かつ代名詞的な存在です。イタリアの菓子のアマレッティに香りが似ていたことからアマレットと命名されたという説があります。
冷やさずにストレートで、氷を入れてロックで飲むほか、様々なカクテルにして飲まれます。また、お菓子の風味付けにも使われます。イタリア版フルーツポンチであるマチェドニアのソースとしても使われます。
アマレットの製造法などに特別な定義や規則はありません。主流の製法としては、杏仁(あんにん、きょうにん)をブランデーに浸漬して成分を抽出したものに、数種類の香草エキスをブレンド、熟成して作られます。アーモンドの殻やアーモンドエキス、アプリコットカーネル(杏仁油)などで風味付けしているものもあります。なお、杏仁とは杏(あんず)の種の核(種の皮をむいた中にある部分)の部分のことで、杏仁豆腐(あんにんどうふ)の材料としても知られています。
アルコール度数
20 〜 30%※ 多くは25%前後です。
01アマレットの銘柄ピックアップ
ディサローノ・アマレット
ディサローノ・アマレットはアマレットの元祖かつ代名詞的な銘柄です。
商業的に流通するようになったのは20世紀以降ですが、伝説によるとこのリキュールのレシピが誕生したのは1525年とされています。その年、レオナルド・ダ・ヴィンチの弟子だった画家のベルナルディーノ・ルイーニが北イタリアのサロンノの教会から聖母マリアのフレスコ画の作成を依頼されました。彼はサロンノで滞在していた宿屋の若く美しい女主人に協力を得て、彼女をモデルにフレスコ画を描きあげました。そして2人は恋に落ち、モデルとなった女性からルイーニに愛情と友情の証として贈られたのが、このリキュールだったとされています。
1600年代に入って、代々サロンノに住んでいたレイナ家のジョバンニ・レイナが宿屋に伝わるリキュールの古いレシピを発見し、レイナ家ではそれ以降このレシピを秘伝として何世代にも渡って守り続けました。そして20世紀初頭にドメニコ・レイナがサロンノでこのリキュールの製造販売を開始して多くの人気を集めました。1947年にイルヴァ・サローノ社(ILLVA Saronno)が設立され、現在も家族経営で運営されています。
なお、元々は「アマレット」という名前で売られていましたが、他社が同じ名前でで類似品を発売し始めたため、1992年に発祥の地サロンノの名前から現在の「ディサローノ」を付けた現在の名称に改名されました。
- 度数
- 28%
- エキス分
- 26%
- 生産地
- イタリア
- 製造元
- イルヴァ・サローノ社