マイ・タイはホワイト・ラム・ベースのロング・カクテルで「トロピカル・カクテルの女王」とも呼ばれています。マイ・タイ(Mai・Tai)はタヒチ語で「良い」や「優秀」を意味する「maita'i」が由来とされています。
トロピカル・カクテルとは明確な定義があるわけではありませんが、一般的に大きめのグラスにクラッシュド・アイスや氷を詰めてホワイト・スピリッツをベースにジュースで割って、フルーツやストローでデコレーションしたカクテルがそう呼ばれています。南国や暑い夏の海がイメージされることからそのような呼び名が付いたものと思われます。
マイ・タイの材料
#ラム- ホワイト・ラム 45ml
- ホワイト・キュラソー 1ティー・スプーン
※オレンジ・キュラソーを使っても良い - パイナップル・ジュース 1ティー・スプーン
- オレンジ・ジュース 1ティー・スプーン
- レモン・ジュース 1/2ティー・スプーン
- ダーク・ラム 2ティー・スプーンをフロートさせる
- クラッシュド・アイス グラスを満たす
- パイナップル スライスの小片
- マラスキーノ・チェリー 1粒
- オレンジ・スライス お好みで飾る
- 氷 (シェーク時に使う)
マイ・タイの作り方
- ダーク・ラムと飾りのフルーツ以外の材料をシェークする。
- クラッシュド・アイスを満たした大型グラスにシェークしたカクテルを注ぐ。
- ダーク・ラムをフロートする。
- お好みでパイナップルやオレンジなどのフルーツ、マラスキーノ・チェリー、ミントや花を飾り、ストローを2本添える。
マイ・タイのエピソード
マイ・タイには最初にレシピを作ったと主張する人が2人います。
ひとりはティキ文化やティキ・カクテルの父とされ、アメリカにティキ・バーの「ドン・ザ・ビーチコーマー(Don the Beachcomber)」をチェーン展開したことで知られているドン・ビーチ(Donn Beach:1907-1989)です。ティキ・バーとは1930年代アメリカでポリネシア(太平洋南方の島々がある海域)の文化を開放的な楽園世界と捉えて、その世界観をメニューや内装に取り込んで誕生したものです。ドン・ビーチは1933年にマイ・タイを作ったと主張していましたが、その根拠は示されておらず、現在この主張はあまり支持されていません。
もうひとりは「トレーダー・ヴィックス(Trader Vic’s)」というドン・ビーチのライバルでもありティキ・バーのチェーンを設立し数々のカクテルを世に送り出したことで知られるビクター・J・バージェロン(Victor J. Bergeron:1902-1984)です。バージェロンは、1944年にアメリカのカリフォルニア州オークランドにあった彼のレストランでマイ・タイを発明したとのことです。作ったカクテルをタヒチからレストランに来ていた友人に飲んでもらったところ、その友人は一口飲んで「Maita’i roa a'e !!(マイタイロアエ)」と叫んだそうです(タヒチ語で「この上ない!この世のものものならず最高!」という意味)。バージェロンは友人の叫んだ言葉からこのカクテルを「マイタイ」と名付けたということです。その後、彼のバーの人気カクテルとなり、さらに1950年代にハワイのいくつかのホテルのメニューとして紹介されて広まりました。
マイ・タイのレシピは公開されていなかったため、再現を試みたバーテンダー達による様々なバリエーションのレシピが存在しており、このページで紹介しているのはその中のひとつです。