モヒート(Mojito)のレシピ・作り方

モヒートを飲もう。

最終更新日:2023年11月25日
モヒート

オススメの飲み方・シーン

オール・デイ
タンブラー

アルコール度数

12°〜16°

  • 中口

モヒートはラム・ベースのロング・カクテルです。キューバの首都ハバナが発祥の地と言われています。

レシピのバリエーションが多く、ミントの葉を潰した後でライムをしぼり入れるレシピ、ライムはグラスに落とし入れないレシピ、ソーダは入れないレシピなどがあります。

またベース種を様々なお酒に変えたバリエーションも非常に多く存在しています。色々と試してみるとよいでしょう。

モヒートの材料

#ラム
  • ホワイト・ラム  40〜45ml
    ライト・ラムを使っても良い
  • ライム・ジュース  1/2個分
  • ミントの葉  10〜15枚
  • 砂糖  1〜2ティー・スプーン
    ※シュガー・シロップを使っても良い
  • クラッシュド・アイス  適量
  • ソーダ(炭酸水)  お好みで適量
    ※トニック・ウォーターを使っても良い

モヒートの作り方

  1. グラスにライムの果汁をしぼり入れた後、皮ごとグラスに入れます。
  2. グラスにミントの葉と砂糖(またはシュガー・シロップ)を入れて、ペストルと呼ばれるすりこぎ棒で軽くつぶします。ペストルがない場合は、マドラーやバー・スプーンで代用してもよいです。この時に、つぶしすぎるとミントの苦味が出てしまうため、軽く香りが立つ程度につぶすのがコツです。
  3. ホワイト・ラムを注ぎ、軽く混ぜミントの葉をグラスの底から浮かせます。
  4. グラスの8分目くらいまでクラッシュド・アイスを入れます。
  5. お好みでソーダ(またはトニック・ウォーター)を加えて軽く混ぜます。
  6. お好みでミントの葉を飾って、ストローをそえます。

 

モヒートのエピソード

モヒートの正確な起源は定かではありませんが、キューバのハバナが発祥の地とされており、いくつかのエピソードがあります。

15世紀頃から始まった大航海時代にヨーロッパは新大陸に勢力を拡大していきましたが、その中でもスペインは16世紀後半には「太陽の沈まぬ国」と呼ばれるまでに領土を広げて、それらの領土から多くの富を得ていました。その頃のスペインは後に無敵艦隊と名付けられるほど強大な海軍を持っており、対抗するイギリスは正面衝突を避けるため個人の武装船に国のお墨付きを与えてスペイン船の荷物を略奪する海賊行為を積極的に行っていました。その海賊の中でも最も有名なのがフランシス・ドレイク(Sir Francis Drake)で、彼はイギリスに最も多くの富をもたらし、歴史上マゼランについで2番目に世界周航を果たした人物でもあります。

1586年にドレイクは金塊を奪うためにハバナの港を訪れましたが、失敗に終わりました。しかし、その際に伝わった「エル・ドレイク(El Draque)」というカクテルがモヒートの原型になったという伝説があります。このカクテル名はもちろんフランシス・ドレイクに由来する名前です。そのレシピは「サトウキビの燃える水」を意味するアグアレディエンテ・デ・カナ(aguardiente de caña)と呼ばれたサトウキビから作られた粗雑なラム酒のようなもの、砂糖、ライム、ミントの葉を使ったもので、熱帯病に苦しむ乗組員のための薬として作られたものだったと言われています。ドレイク船長自身が考案したという説もあります。

またドレイクがキューバに伝えたという説と、その逆にキューバで飲まれていたものがドレイクに伝わったという説とがあります。キューバのサトウキビ畑で働いていたアフリカ人労働者の間で飲まれていたグアラポ(Guarapo)というサトウキビ・ジュースがその起源だという説もあります。いずれにしても、このカクテルは19世紀前半頃までドレイク(もしくはドラケ)という名前で飲まれ続け、ハバナでコレラが蔓延した時にも薬として飲まれていたようです。

19世紀後半に、ドン・ファクンド・バカルディ・マッソ(Don Facundo Bacardi Massó)がバカルディ社を設立して、キューバ国内ではバカルディ・ラムが流行しました。それとともにドレイクのレシピに使われていたアグアレディエンテがバカルディ・ラムに置き換わり、カクテルはモヒートと呼ばれるようになりました。

いつ誰がモヒート(Mojito)と名付けてそれが広まったのかは定かではありません。語源は諸説あって、一説にはアフリカの言葉で「魔法」や「祈りの呪文」といったような意味を持つ「モジョ(mojo)」に由来すると言われています。このカクテルの薬効からそういった言葉が使われたというのは、それらしい説ではあります。他にはスペイン語で「湿った」を意味する「mojado」に由来するという説、スペイン領カナリア諸島が原産の調味ソースの「モホ(mojo)」(オリーブオイル、ニンニク、パプリカ、クミンを混ぜたものに、酢、レモン、オレンジ、ライムなどの果汁で味付けをしたソース)が由来という説、などがあります。

 

ドレイク由来とは全く別の説で、1920年代の禁酒法時代にキューバのバーを訪れたアメリカ人が、ミント・ジュレップを紹介し、それを元にモヒートが生み出されたという説もあります。

また、ハバナにあるラ・ボデギータ・デル・メディオ(La Bodeguita del Medio bar)というレストラン&バーが最初にモヒートを作ったと主張しており、このバーにはキューバにも住居を構えていた作家のアーネスト・ヘミングウェイが常連客として通い、モヒートを愛飲していたと言われています。ヘミングウェイが残したとされる「私のモヒートはラ・ボデギータで、私のダイキリはエル・フロリディータで(My Mojito in La Bodeguita My Daiquiri in El Floridita)」というメモが残されていますが、彼の著書などにモヒートやこの店についての記述は残されておらず、この伝説の信憑性に疑問を唱える声もあり、いわば都市伝説のひとつとも言われています。