サイドカー・カクテルはブランデー・ベースのショート・カクテルです。単にサイドカーと呼ばれることが多いです。使用するブランデーの銘柄によって味や色が大きく変わります。アルコール度数は低くありませんが、飲みやすいカクテルです。
第一次世界大戦中に将校が乗っていたバイクのサイドカーが名前の由来です。その名前が付けられた経緯は諸説ありますが、サイドカーに乗ってバーに飲み来た将校がこのレシピを持参したという説があります。
サイドカーから派生したカクテルは非常に多くあります。
ベースを変えたバリエーションではジン・ベースのホワイト・レディ、ラム・ベースのエックス・ワイ・ズィー、ウォッカ・ベースのバラライカ、ウイスキ・ベースのウイスキー・サイドカー、焼酎ベースの焼酎サイドカー(もしくはチュウ・サイドカー)があります。なお、テキーラ・ベースにしたものがマルガリータとされることもありますが、マルガリータはサイドカーではなくダイキリのバリエーションともされています。
また、コアントローをグラン・マルニエに変えるとグラン・マルニエ・サイドカーになります。
サイドカー・カクテルの材料
#ブランデー- ブランデー 30ml
- コアントロー 15ml
※ホワイト・キュラソーを使っても良い - レモン・ジュース 15ml
- 氷 (シェーク時に使う)
サイドカー・カクテルの作り方
材料をシェークしてカクテル・グラスに注ぐ。
サイドカー・カクテルのエピソード
サイドカーの起源は諸説あります。第一次世界大戦末期のロンドンかパリで最初に作られたと考えられています。
一番古い記録としては、ロンドンのバーテンダーだったハリー・マッケルホーン氏(Harry MacElhone)が出版した「Harry's ABC of Mixing Cocktails」、同じくロンドンのバーテンダーだったロバート・ヴェルメイア氏(Robert Vermeire)が出版した「Cocktails and How to Mix Them」にそれぞれ掲載されています。いずれも1922年に出版されたものです。
これらのレシピ本ではロンドンのバックス・クラブ(Bucks Club)の人気バーテンダーだったパット・マクギャリー氏(Pat MacGarry)が最初に作ったとしています。ヴェルメイア氏はこのカクテルが元々フランスで人気があり、それをマクギャリー氏がロンドンに紹介したとしています。
マッケルホーン氏は後の版で自身がサイドカーの作者と述べているそうですが、おそらく初版に書かれていることが正しいのではないでしょうか。
これらの本で紹介されている当初のレシピはコニャック、コアントロー、レモン・ジュースが同量ずつのもので、これはフランス流として知られています。その後、1930年にロンドンのバーテンダーのハリー・クラドック(Harry Craddock)氏が出版した「サヴォイ・カクテルブック(The Savoy Cocktail Book)」ではコニャック2に対してコアントローとレモン・ジュースが1ずつの英国式として知られるレシピが紹介されています。