アルコール度数
11°
- 中口
ブラッディー・メアリーはウォッカ・ベースのロング・カクテルです。メアリーの部分はメリーやマリーと表記されることもありますが同じものです。
二日酔いを治す迎え酒として人気があって、特にアメリカではこのページのレシピで紹介している材料の他に、食塩、黒コショウ、ウスター・ソース、タバスコ・ソース、セロリ・ソルト、ニンニク、ハーブ、ワサビ、オリーブ、レモンジュース、ライムジュース、などのスパイスや調味料を加えて飲まれることが多いです。
ブラッディー・メアリーのバリエーションは非常に多様です。
ブラッディー・メアリーに他の材料を足したバリエーションとしては、ビールで割ると「レッド・バード」になります、ビーフ・ブイヨンを加えると「ブラッディ・ブル」になります。
ブラッディー・メアリーのベースをウォッカから別のお酒に変えたバリエーションとしては、ジンに変えると「ブラッディー・サム」(別名レッド・スナッパー、もしくはブラッディー・マーガレット)、テキーラに変えると「ストロー・ハット」、ビールに変えると「レッド・アイ」、アクアビットに変えると「デニッシュ・メアリー」、スコッチ・ウイスキーに変えると「バノックバーン」、日本酒に変えると「ブラッディ・ゲイシャ」など多数のバリエーションがあります。
ブラッディー・メアリーのトマト・ジュースを変えたバリエーションとしては、クラマト・ジュース(トマト・ジュースにハマグリのエキスが入った飲料)に変えると「ブラッディー・シーザー」、クラム・ジュース(ハマグリのエキスを抽出したスープ)に変えると「ブラッドレス・シーザー」(別名ブラッドレス・メアリー)になります。
またブラッディー・メアリーのウォッカを抜くと「バージン・メアリー」(別名ブラッディ・シェイム)というノン・アルコール・カクテルになります。
ブラッディー・メアリーの材料
#ウォッカ- ウォッカ 45ml
- トマト・ジュース 適量
- カット・レモン お好みで飾る
※レモン・スライスを使っても良い - セロリ 1本をお好みで飾る
- 氷
ブラッディー・メアリーの作り方
- 氷を入れたグラスにウォッカを注ぐ。
- 冷えたトマト・ジュースで満たして軽くステアする。
- お好みでレモン・スライス(またはカット・レモン)を飾る。またお好みでマドラーを添えるか、マドラーの代わりにセロリ・スティックを飾る。
ブラッディー・メアリーのエピソード
ブラッディ・メアリーはフランスのパリの「ハリーズ・ニューヨーク・バー(Harry's New York Bar)」のバーテンダーだったフェルナン・プティオ(Fernand Petiot)氏が1921年に考案したというのが最もよく言われていますが、諸説あります。ウォッカとトマト・ジュースを半分ずつ混ぜた当初のブラッディ・メアリーは俳優のジョージ・ジェセル(George Jessel)氏が作ったとされており、実際プティオ氏は1964年7月の「ザ・ニューヨーカー」誌にジェセル氏が作ったカクテルに塩、黒胡椒、カイエンペッパー、ウスターソース、レモン汁などを加えて1934年に改良して現在のブラッディー・メアリーを発明したと語った記録が残っています。また、ニューヨークの「21クラブ(21 Club)」でジョージ・ジュセル氏のカクテル作りを担当していたバーデンダーのヘンリー・ズビキエヴィッチ(Henry Zbikiewicz)氏が1930年代に考案したという説があります。
また命名の由来についても諸説あります。16世紀のイングランド女王メアリー1世の異名「ブラッディー・メアリー(血塗られたメアリー)」から取られたというのが最も言われていますが、定かではありません。なおメアリー1世はカトリック復興のためにプロテスタントに対して過酷な迫害を行なったことからこのように呼ばれるようになりましたが、このカクテルとの関連性は不明です。
このカクテルを最初に作ったとされるプティオ氏にまつわるエピソードとしては、彼のガールフレンドのメアリーに由来しているという説、シカゴから来た客がこのカクテルをシカゴにあったとあるバーの通称の「バケット・オブ・ブラッド(血の入ったバケツ)」に例えて、しかもそのバーで働いていたウエイトレスのメアリーがブラッディー・メアリーと呼ばれていたことからそれをカクテル名にしたという説があるほか、このカクテルを提供した客がスミノフ・ウォッカ社長だったウラジミール・スミルノフだったのですが、そこから付けたカクテル名のウラジミール(Vladimir)というスラブ語を英語でうまく発音できずブラッディメリーとなってしまったという説もあります。